赤を見る/Seeing Red
Performance directed by Fujimoto Takayuki / 2011 - 2014
PRODUCTION NOTE
この作品は、進化心理学者のNicholas Humphrey(ニコラス・ハンフリー)が、2004 年にハーヴァード大学で行った講演をもとに書かれた、同名の書籍から最初の着想を得ている。
意識をめぐる考察 (Seeing Red α, β, γ)
意識はどこにあるのか?
それは、個人の中に格納されてあるのではなく、その人を取り巻き、その人自身たらしめている環境すべての中にある。
環境とは? 世界を空気、表面、物の3つのエレメントに分けてみる。
- 空気= その中では、光、音、臭いなどが拡散する。人間も空気の中で拡散している。空気は、常に均質化しようとしている。ボーダーがない。
- 表面= 空気と物の境界。光は、物の表面に触れられるし、表面は物の構造をある程度表わしている。 (表面を見ると、例えば固そうだとか柔らかそうだとか、中身が何となく分かる)
- 物 = 構造が持続する。連続する固体。構造があるということは、組み合わされた関係性がある。
赤い色 = 赤は、自然環境中で、常時はそんなに大きな面積では現れない。普段はあまり見ないが、生き物の中には溢れている。そして、あるとき急に吹き出してくる。
表面は光を構造化する。
光の構造化が表わしているもの=不変と変化
各表面の様子は、どの観察点においても、その光の構造は固有(唯一無二)である。
それが見えるという事は、そこに自分がある/居るということ。常に周りは視線と共に変化するが、その中心に変わらない自分がいる。つまり、自分の動きに貼り付いて変化する情報は、自分の存在を表わす。その核は、動いているものの中でしか見れない。その対象の表面が、その対象の構造を示す。
PRODUCTION CREDIT (Seeing Red ver.γ)
監督・照明 | 藤本隆行 (Kinsei R&D) |
振付 | Jung Young Doo |
出演 | ユン・ミョンフィ、平井優子、日玉浩史 |
音楽 | 大谷能生 |
空間デザイン | 松原慈 (assistant) |
メディアオーサリング | 古舘健 |
映像プログラミング | 神田竜 |
映像製作 | 長良将史 |
音響オペレート | 上條慎太郎(TMUG/+MUS) |
衣裳 | 北村教子 |
デバイスデザイン | 照岡正樹 |
舞台監督 | 粟津一郎 |
舞台装置製作 | 有山宙 (assistant)、中川善之、さかいまお |
制作進行 | 佐藤葉月 (Hiwood) |
プロデューサー | 高樹光一郎 (Hiwood) |
技術協力 | カラーキネティクス・ジャパン株式会社 |
有限会社タマテックラボ | |
協力 | 野中哲士・真鍋淳子 |
主催 | 一般社団法人KInsei R&D |
提携 | KAAT 神奈川芸術劇場 |
共催 | 特定非営利活動法人コミュニティアートセンタープラッツ |
城崎国際アートセンター | |
助成 | 芸術文化振興基金 |
協賛 | 資生堂 |
PRODUCTION SCHEDULE
2011年12月 | 赤を見る ver.α | BankART 1929、横浜 |
2012年12月 | 赤を見る ver.β | Hammerhead Studio、横浜 |
2014年12月 | 赤を見る ver.γ | KAAT 神奈川芸術劇場、横浜 |
MOVIES
SeeingRed_赤を見る_γ_5min digest (2014)