Kinsei R&D | Fujimoto Takayuki Works

陽の樹/Yang Tree

Installation directed by Fujimoto Takayuki / 2015

OVERVIEW

別府市内の海門寺公園に立つ楠の大樹にセットアップされた、野外インスタレーション。
BEPPU PROJECT 2015/混浴温泉世界 2015 関連事業として委嘱された。

毎日、夕暮れの定刻になると、サウンドデザインを担当したmeme!milkが、この楠の葉陰で構想を得て作曲し、別府市内で録音をした音楽が静かに鳴り始め、それと同期して、幹を囲んで枝上にセットされた円形トラス上の、多数の擬似太陽光LED照明の直進光が、様々に移ろいながら樹冠を照らしていく。


PRODUCTION NOTE

別府の街中の公園に立つ楠は、実はそこが公園なんぞに成るずっと前からその場所で生きていた。
場所を移動しない生命体は、地中深くそして広く、そして空高く広がっていく。
地上にいる私たちには見えないのだが、樹木はその幹で繋がって、地中と空に対照に腕を広げて陰陽の形を保っている。

その樹木の時間は、人間の時間とは縮尺が違うので、樹々の生命活動に伴う動きは人の目には見えないけれど、時間は確実にその場に蓄積されて、楠の中に織り込まれている。
その場所で1日を過ごした音楽家(mama!milk 生駒 祐子・清水 恒輔)が、樹と街の記憶を音楽として紡ぎ出し、その音に反応して楠の樹冠に光が射す。音と光と影が循環する。


MUSIC NOTES

Yang Tree、陽の樹の音楽

楠の声を音楽にしました。
あの楠が100年以上見つめてきた日々の営みや、全細胞をそばだてて聴いている街の喧噪、すべてを包み込み共鳴する音楽です。

初夏の夜に、私たちは楠の下でピクニックをしました。
コントラバスを弾いたり、グロッケンで遊んだり、歌に耳をすませたり。
その夜に、公園を行き交う人々の声、銭湯のカランコロン、時を知らせるチャイムなどと一緒に嬉しく響いたモチーフで、この音楽は構成されています。
音楽の中で、各モチーフは陰と陽の関係のように調和を図りながら配置されています。
モチーフには、あの公園の午後の様子を録音した音も含まれています。
そしてこの音楽は、きんせいさんの光を得て、楠の生命の循環のように繰り返されます。

mama!milk 生駒 祐子


Yang Tree
作曲:生駒祐子

演奏:
 清水恒輔 コントラバス
 松本舞香 声 
 生駒祐子 オルゴール、グロッケン

録音:2015年6月23日, 24日 [ 別府 ] 海門寺公園, 永久別府劇場
協力:上田 珠真子


PRODUCTION CREDIT

監督・デザイン藤本 隆行 (Kinsei R&D)
音楽生駒祐子・清水恒輔 (mama!milk)
  
主催BEPPU PROJECT 2015
技術協力パイフォトニクス株式会社
有限会社タマテックラボ
STAGE CREW NETWORK
協力上田珠真子・松本舞香
今井健太郎

PRODUCTION SCHEDULE

2015年7/17 – 9/2318:00-22:00別府 海門寺公園
Duration 25min Loop
Admission free

MOVIES

Yang Tree/陽の樹 document (2015)